経済学部長

前鶴 政和 Masakazu Maezuru

経済を読み解く力を磨き、
社会に貢献する人材へ。

経済学部は、1971年の本学創立時にスタートし、「経済と法律が社会の両輪であり、この二つの学問を修めることによって無類の人格を形成することができる」という建学の理念に基づいて設置されました。

本学部では、経済学の科目を中心に学修しつつ、経営学や法学にも視野を広げ、社会現象を多角的に読み解ける目を養うことを狙いとしています。経済学の基本とは、世の中の経済の仕組みがどういったルールで動いているのか?企業?家計?政府といった経済主体がどのような経済活動を行なっているのかを理解していくことです。そして何より、経済学を修得する究極的な目的は、国民の生活の安定や豊かさの追求です。

たとえば、景気の低迷による失業問題への対策が迫られる時、動向を紐解き分析して回避するための政策を講じ、国民の生活を守る。その術を極めていく学問なのです。新型コロナウィルスの感染拡大が大きく経済に打撃を与えている今こそまさに、経済学の本来の目的が追求されるべきではないかと強く感じています。

本学部の特色は、経済学の理論だけでなく、“実学としての経済学”を身につけることを主に置いている点です。

“実学としての経済学”とは、たとえば経済指標と言われる、金利や為替レート、GDPといった経済の状態を表す数値が、それぞれどのような関係を持っているのか、そこから何が読み解けるのか。そうした経済の仕組みや景気の動向を理解するための力を身につけ、日常の生活やビジネスシーンで役立てることを大きな目的としています。

さらに、2021年度より新たな取り組みとしてスタートしたのが、「経済理論コース」「国際経済コース」「都市経済コース」「現代日本経済コース」の4つからなる新コース制です。1年次に経済学の基礎を学んだ後、2年次から1つのコースを選択し、より専門的で高度な学修を段階的に行なえるカリキュラムとなっています。

たとえば、経済理論コースでは、ミクロ?マクロ経済学だけでなく、行動経済学やゲーム理論といった現代ビジネスに欠かせない新しい学問を身につけることが可能です。また、国際経済コースでは、海外で1?2週間ほど現地のマーケットで経済活動に触れる「海外フィールドスタディ」を実施することや、ヨーロッパにおける製品調達に同行する海外インターンシップなど、グローバル人材に必要な力を肌で体感できる機会が充実しています。

地方公務員や観光業への就職をめざす方の多くが選択する都市経済コースでは、官学連携プロジェクトへの参加を推進しており、地域や企業が抱える課題を解決に導くフィールドワークを通して、都市産業の発展に寄与していく政策立案能力を身につけることができます。現代日本経済コースでは、日本の経済システムの構造を理解するだけでなく、IT系の専門資格取得をめざせるICT特別演習やプログラミング実習が充実し、これからのAI社会?ビッグデータ時代を生き抜くための力を備えられるでしょう。

繰り返しになりますが、本学部で重んじているのは、経済指標の読み解き方を修得した“その後”。身につけた理論を、ビジネスや暮らしでしっかりと“扱える”力を育むことです。

今はまだ社会との関わりが少なく、経済の動きを自分ごととして捉えられる方は少ないかもしれません。しかし、1年次から社会課題に対する関心を少しずつ深めていくと、たとえば発展途上国の貧困問題などふと目にしたニュースに対して、“何か貢献できるような人になりたい”とスイッチが入る瞬間が出てくる時がきます。

社会への関心を高めるほど、将来めざしたい自分の姿が自然と見えてくる。それがきっと、あなたの卒業後の人生を有意義なものにしてくれるでしょう。

大阪経済法科大学 経済学部長
前鶴 政和